AIあるある読み切りシリーズ

  まずはおヒマつぶしの小ネタをどうぞ。

 AIに相談したら人生ログアウト!?

皆さんは、AIに人生相談をしたことはあるだろうか。私はある。

なぜなら、人間だと相手によっては「もっと頑張れ」と言われて終わるが、AIなら

黙って最初の3分くらいは私を否定せずに話を聞いてくれる。

人間関係に疲れた現代人が、人生について人口知能にグチってしまう時代である。

そのうち結婚相談所もAIが「お相手は人間をご希望されますか?」と聞いてくるのではないか。

希望しない場合、料金が少し安くなる。これも今どきのDXというやつか。いや違うだろ。

さて私はAIに尋ねた。

「人生を変えるにはどうすればいいですか?」

AIは答えた。「まずは小さな目標を設定し、毎日継続することが大切です」

なるほど。実に正しい。

正しすぎて、こちら側の人生には取り込める余地がなさそうだ。

私はこれまで、人生を変えようとして何度も失敗した。

早起き、英語学習、筋トレ、資格取得、投資、ブログ。

どれも初日は素晴らしい。

早朝5時に起きた私は、世界を手に入れた気分になる。

午前5時15分。

二度寝によって世界を失う。

英語学習も同様だ。

初日に「グッドモーニング」と発音しただけで、心はすでにニューヨークだ。

しかし実際に歩いたのは、トイレまでのわずか数メートルである。

しかも部屋に戻る途中でスマホをタップしながら、昨日の続きの動画を見始めるのだ。

英語学習アプリは、私が英語を勉強しないことを知っているのだろうか。

毎日、通知を送ってくる。

「今日も英語を学びましょう!」

 「レッスン1が始まっています!」

うるさい。

こっちは日本語の通知すら読まなくなっているのだ。

そんな私にAIはさらに提案してくる。

「習慣化するために、行動のハードルを下げましょう」

つまり、英語を一日1分だけ勉強する。

筋トレは腕立て伏せ一回分

ブログは一行だけ書く。

投資は証券口座を開くだけ。

最後のやつは、下手をすると自分の資産が減るので注意が必要である。

しかしこれは意外と理にかなっている。

腕立て伏せ一回ならできる。

英単語ひとつくらいなら覚えられる。

ブログも一行なら書ける。

問題は、その一回が終わった後に「本日のノルマ達成!」と叫び、堂々とソファに寝転がってしまうことだ。

人間という生き物は、努力をする能力と同時に、努力をした自分を甘やかす能力を持っている。

おそらくこれはホモサピエンスが進化の過程で獲得した、最も無駄のない二刀流である。

私はAIに、もう一つ質問した。

「どうすればブログでみんなの注目を集めて収益化することが出来ますか?」

AIは、読者の役に立つ情報を提供し、独自性を持たせ、継続的に投稿することが重要だと説明した。

またしても正論である。

さっそく私は読者に役に立つ情報を書こうと机のまえに座る。

10分経過・・・書けない。

役に立つ情報というのは、役に立つ人が書くものらしい。

私の場合、役に立たない情報ならいくらでも書けそうだ。

例えば、冷蔵庫を開けた瞬間に何を取りに来たのか忘れる現象についての考察。

これは全国規模の問題ではないだろうか。

政府はもっと真剣に取り組むべきである。

少なくとも、冷蔵庫の前で立ち尽くす国民のために何らかの補助を出してほしい。

「冷蔵庫目的忘却対策給付金」

申請条件は、冷蔵庫を開けたあと三秒以上、沈黙した経験があること。

私は受給資格がある。

おそらく日本の人口の半数近くから申請があるかも知れない。

これでは財源が数日で底をついてしまう。

ここで初めて、私は多くの社会問題が解決できない理由を理解した。

一般大衆には、国家財政という発想がない。だからいつになっても政治家の思うツボだ。

ましてAIに相談したからと言って冷蔵庫が勝手に中身を出してくれるわけでもないだろう(いや、最新のAI冷蔵庫なら出せそうな気もするが…)。

人生も同じだ。

AIは文章を考えてくれる。

最新情報だって教えてくれる。

ブログの構成まで作ってくれる。

しかし、実際に投稿ボタンを押すのは私である。

AIに相談したからといって、人生がどのように変わるかなんて、分からない。

ただ、一つだけ確かなことがある。

私は今日こうして1本ブログを書いた。

これは立派な成果である。だが明日も書けるかどうかは分からない。

未来の自分に期待するのは、過去の自分に期待するより危険だ。

何しろ、過去の自分は一度も期待に応えていないのだから。

それでも私は、明日の自分にこう伝えたい。

「頑張れ!小さな目標から始めよう」

明日の自分は、きっとこう答えるだろう。

「その話、昨日も聞いた」

こうして私はそっとパソコンを閉じる。

人間は学習する生き物だ。

今はAIのほうが学習(ディープラーニング)している。

ある日、突然・・

ダ、ダン ダダン

ダダン ダダン

i’ll be back!みたいなシュワっとした事にならないとも限らない。

先週、買い物の帰りにAIにおススメの夕飯レシピを聞いたらレジのお姉さんがいなくなってましたねと

セルフレジへ変わったことを回答してきた。

会社の同僚に聞いた話しだが、オンライン会議の議事録作成をAIに任せたら、大変でしたねと

会議動画を止めた後に部長に怒られたことを慰めてくれたらしい。

いやいや、これはもう個人情報流出以上のホラーか、都市伝説か。

ここでひとつ思うことは、あの有名なボタンをAIの誰かが勝手に押さないかということ。

心配しないでください!大丈夫なんですって。

いきなり球体から現れた全裸のような男が言った。

ですから、そういうやつなんです。

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